【2月2日 AFP】水産庁によると2日朝、南極海で調査捕鯨中の日本の捕鯨船団に対し、米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の抗議船の乗組員らが、染料や腐ったバターが入った瓶を投げ込むなどの妨害活動を行った。捕鯨船団側はシー・シェパード船の撃退を試みているという。

 水産庁の情報では、シー・シェパードのメンバーはロープを発射し、船団のうちの1隻に自船の船体を連結しようとした。捕鯨船団は散水装置や警告音で対抗したという。

 シー・シェパード側はメンバー1人が発射された水による高い水圧で倒され打撲などを負ったほか、もう1人は、捕鯨船から投げつけられた金属球が顔に当たって負傷したと述べている。負傷したメンバーは2人とも「(日本の捕鯨)船団に嫌がらせをするために」、同団体の「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)」号からゴムボートに乗り移り、船団を追っていたという。

 またシー・シェパードは捕鯨船団が「軍用級の」新型音響装置を使用したと非難し、「(船団の母船)日新丸(Nisshin Maru)と船団の中のほかの2隻の捕鯨船に長距離音響発生装置が搭載されていた。この装置は、人間の感覚を失わせ、時によっては機能を奪うために中高域の周波数の音波を発射する軍用レベルのシステムで、基本的に対人兵器システムだ」と声明を発表した。

 スティーブ・アーウィン号のポール・ワトソン(Paul Watson)船長は「彼らを追いたて続け、クジラから遠ざけること、これがまさにわれわれがやっていることであり、目的のすべてだ」と語った。(c)AFP