【1月31日 AFP】地球の海洋生態系に対する酸性化の被害を防止するためには、二酸化炭素(CO2)排出を急激に減らす必要があると警告する「モナコ宣言(Monaco Declaration)」を、各国の海洋科学者ら150人以上が30日、フランス南部ニース(Nice)で発表した。

 前年10月にモナコで開かれた国際海洋シンポジウムの成果を政策立案者への提言としてまとめたもの。

 このなかで科学者らは、温室効果ガスがもたらした海水の酸性化は既にサンゴ礁の生態系に大打撃を与えており、人類にも大規模な影響を連鎖的にもたらすことになると警告。

 宣言文では、「海洋の化学的性質の近年の急激な変化と、それが数十年以内のうちに海洋生物や食物網、生物多様性、漁業などに与える深刻な影響」への深い懸念を示し、「海の酸性化は加速しており、深刻な被害が差し迫っている。この流れを食い止め、かつ反転させるための唯一の対策は、大気中の二酸化炭素量を減らすことだ」と述べている。

 さらに科学者らは、海の酸性化は人類社会にも非常に大きな影響があると警告する。海洋の食物網に影響し、漁業資源に大幅な変化をもたらし、数千万人分のタンパク質の供給や食料安全保障を脅かすことになるという。(c)AFP