【1月13日 AFP】英政府が計画しているヒースロー（Heathrow）空港の拡張計画に反対するグループが13日、ロンドン（London）郊外にある同空港の第3滑走路建設予定地を買収したことを明らかにした。

　国際環境保護団体グリーンピース（Greenpeace）によると、建設予定地の買収には、アカデミー賞受賞女優のエマ・トンプソン（Emma Thompson）さんも参加し、反対運動の強力な助っ人となっているという。トンプソンさんも「予定地に移り住んで野菜を植えてでも、建設予定地の強制収用はさせない」と意気込みをみせている。

　グリーンピースは、空港の拡張計画に90億ポンド（約1兆2000億円）もの公的資金が投入されると批判している。

　一方、ヒースロー空港では12日、拡張反対派メンバー約250人が20世紀初頭の服装で集結。当時の穏健な婦人参政権運動を模して、弦楽四重奏の生演奏を聴きながらシャンペングラスを傾け会話を楽しむなど、平和的な抗議活動を展開した。

　同時にイングランド北部のマンチェスター（Manchester）の空港でも、約50人が抗議活動を行った。
　
　世界最大級の国際ハブ空港であるヒースロー空港の拡張計画については、これを支持する産業界や航空業界と反対派の地域住民や環境保護団体とが激しく対立。政府閣僚が計画を可否の両面から精査して予定スケジュールから遅れているが、政府は数週間以内にも拡張工事を行うかどうか決定する見込みだ。(c)AFP