【1月9日 AFP】気候変動の影響で、今世紀末までに世界人口の半数が食糧不足に直面する――。このように警鐘を鳴らす研究結果が8日、新たに発表された。

 研究チームによると、2100年までに熱帯・亜熱帯地域での最低気温が、同地域の現在の最高気温より上昇する確率は90%だという。その結果、これらの地域の作物に甚大な被害が及ぶとみられる。

 チームは直接観察とコンピューターモデルを基に予測を打ち出したが、米ワシントン大学(University of Washington)のデビッド・バティスティ(David Battisti)教授(大気圏科学)は、「気温だけでも世界的な作物への影響は甚大だが、気温上昇による水供給については考慮されていない」と指摘する。

 熱帯地域で最高気温に達すると、トウモロコシや米の収穫量が20-40%減少するほか、気温の上昇に伴い土壌の水分量も減り、収穫がさらに落ち込むことになると、研究チームは述べている。

 現在、世界人口の半数に相当する約30億人が熱帯・亜熱帯地域に住んでおり、その数は今世紀末までに倍増すると予測されている。(c)AFP