【12月20日 AFP】動力の一部に太陽光発電を利用する世界初の貨物船が19日、神戸の造船所から出帆した。自動車輸出の燃料費削減とCO2排出量削減を目指す。

 自動車運搬船「アウリガ・リーダー(Auriga Leader)」は、日本郵船(Nippon Yusen)と新日本石油(Nippon Oil)が共同開発した。総重量は6万213トン、全長200メートル。大型船として世界で初めて太陽光発電を搭載した同船には太陽光発電パネル328枚が設置されている。また、自動車6000台以上の積載が可能だという。両社関係者が語った。

 アウリガ・リーダーは、トヨタ自動車(Toyota Motor)の車を海外に輸送するための船舶だが、その開発プロジェクトは、世界的な金融危機で自動車販売台数が減少し、自動車メーカーが大幅減産を余儀なくされるより以前に発案された。

 アウリガ・リーダーに搭載された太陽光発電は最大40キロワットの電力を生み出せるが、同船の推進に必要な電力消費のわずか0.2%しかまかなうことができない。そのため、現段階では主に照明と乗員の生活電力に使用される。両社関係者は、この割合を上げてゆきたいと語った。

 統計によると、海上輸送による温室効果ガス排出量は、全体の排出量の1.4-4.5%に上る。しかし、その国際的な性質上、海上輸送業界における排出量の規制措置は遅れてきた。国内海運最大手の日本郵船は、燃料消費とCO2排出量を2010年までに半減するとの計画を発表している。(c)AFP