【12月19日 AFP】米国航空宇宙局(NASA)は、地球観測衛星に搭載されたセンサー「中分解能撮像分光放射計(Moderate Resolution Imaging SpectroradiometerMODIS)」が2000年と2008年に観測した、グリーランド北西部のフンボルト氷河(Humboldt Glacier)の急速な縮小を示す画像を公表した。

 フンボルト氷河は、リンカーン海(Lincoln Sea)とバフィン湾(Baffin Bay)とを結ぶネアズ海峡(Nares Strait)のケーン湾(Kane Basin)沿いに広がる全長90キロの北半球最大の潮水氷河で、Sermersuaq氷河とも呼ばれる。陸地から始まって海中まで続いていており、ネアズ海峡の氷山を形成する主要な氷原となっている。

 MODISが観測した2つの画像を比べてみると、フンボルト氷河南部には、8年間でほとんど変化が見られないが、北部は縮小が著しく、ケーン湾に勢いよく流れ込む氷流が確認できる。いずれの画像でも、濃い青色で示されたケーン湾の海水に、氷山や海氷とみられる氷が散乱しているのが分かる。(c)AFP