【12月12日 AFP】東アフリカに横たわる大地溝帯(Great Rift Valley)では現在、新技術を使った地熱資源探査が試験的に行われているが、この地域に莫大な地熱エネルギーが眠っている可能性が明らかになった。

 国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第14回締約国会議(COP14)が開催されているポーランドのポズナニ(Poznan)で9日、国連環境計画(UN Environment ProgrammeUNEP)と地球環境ファシリティー(Global Environment FacilityGEF)が会見し、同探査によってこれまでにケニアの首都ナイロビ(Nairobi)付近で複数の熱水脈が見つかったと発表した。

 うち一つは推定8メガワットの発電能力を持ち、そのほかも4-5メガワットの発電が可能だという。また、大地溝帯全体では「少なくとも7000メガワット」の地熱発電が可能で、東アフリカ12か国のエネルギー需要に大きく貢献すると期待される。

 地球のマグマに熱せられて地表にわき出る地熱水は、その温度により用途が分かれる。

 ケニアで発見されたような、2-3キロの深さで熱せられ蒸気としてわき出る地熱水は、タービンの駆動に活用できる。

 ケニアには約25年前にオルカリア(Olkaria)に建設された地熱発電所が1基あり、約115メガワットを供給しているが、これはケニア全体の発電能力の10分の1に過ぎない。UNEPによると、ケニアでは人口の急増に伴い発電量の増加が急務となっている。現在も停電が頻繁に起こるような状況だという。

 地球環境ファシリティーは、同探査に90万ドル(約8300万円)の支援を行っている。  

 大地溝帯は地殻変動により地表が裂けて谷になったもので、紅海から東アフリカを通り、巨大な地殻変動エネルギーにより地殻プレートが割れているマダガスカル周辺まで伸びている。(c)AFP/Richard Ingham