【11月5日 AFP】世界遺産にも登録されているオーストラリア北東のグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)近辺で、観光客のビーチに出没したために捕獲されたクロコダイルが、ポリ袋の食べすぎが原因で死亡した。関係者が2日明らかにした。

 クイーンズランド(Queensland)州環境保護局によると、体長3.5メートルのクロコダイルはマグネティック島(Magnetic Island)付近で捕獲され、その翌日に死亡した。体内からは買い物用およびゴミ捨て用のポリ袋25枚のほか、プラスチック製のワインクーラーバッグと浮き輪も見つかった。

 同局は、これらの物体が胃の中で凝縮され、食物の消化を妨げていたのではないかと見ている。

 グレートバリアリーフ海洋公園局も、クロコダイルが長期にわたりポリ袋を飲み込み、それらが蓄積されて死を招いたことに驚きを隠さない。同公園局のRussell Reicheldt氏は3日、オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)に対し、「こうした問題はワニに限定されているとは思わない。むしろ、カメでよく聞く話だ。いずれにせよ、海における廃棄物は相当な量にのぼり、野生環境を破壊しているとの考えが、一層裏付けられることになった」と話した。

■背景には「ワニの移転計画」

 このクロコダイルは、もともとヨーク岬(Cape York)半島沖に生息していたが、衛星追跡プログラムにより、約1000キロ南のタウンズビル(Townsville)に移転された。だがその後、観光スポットのマグネティック島に出没するようになり、地元観光業者から苦情が出ていた。

 こうしたことから、ワニの移転計画は見直しをせまられている。(c)AFP