【10月18日 AFP】増え続けるウサギが深刻な問題となっている南アフリカのロべン島(Robben Island)で、自然保護のために数千羽のウサギが駆除されることになった。当局者が15日明らかにした。同島は、同国のネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)前大統領が収監されていたことで有名で、島全体が「ロビン島博物館(Robben Island Museum)」となっている。

 駆除は11月に2週間にわたって行われ、その間博物館は閉鎖される。大半を処分するが、一部のウサギについては処分はせずに不妊手術をほどこす予定。

 博物館側は、「現在ウサギの数は非常に多く、島の繊細な植物に恒久的なダメージを与える恐れがあり、そのほかの動物種にとっても深刻な脅威をもたらすことになる。歴史的建造物をも脅かしている」と駆除の理由を説明した。正確なウサギの数は不明だという。

 島のガイドによると、1800年代に近海を通る船がこの島にウサギを捨て、それがこれほどまでに増えたのだという。「ウサギは植物を食い尽くす、迷惑な存在だ」とガイドは言う。

 同島は、世界遺産にも登録されている。アパルトヘイト時代、マンデラ元大統領ら政治犯は、この島の収容所に収監された。囚人の中には、ウサギをペットとして飼う者もいたという。(c)AFP