【10月15日 AFP】中国中部の湖北(Hubei)省で、不法操業していた金属精錬所からヒ素やカドミウムなどの有毒物質で汚染された水が排出され、農業従事者が皮膚病になったり、作物が腐ったりするなどの被害を引き起こしている。中国の英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が15日、報じた。

 湖北省にある13か所の金属精錬所は、2006年に当局により閉鎖されていたが、今年になって不法に再開していたところを、今週になって再度閉鎖された。

 チャイナ・デーリーによると、人口150万人の同省監利(Jianli)では、工場から流れ出た汚水が原因で、農業従事者が重度の発疹など皮膚病に苦しんでいるという。

 これらの工場は、ヒ素やカドミウムなどが混じった汚水を不法に川に排出していたが、その水が綿畑などの耕作地で使用されていた。

 農家の1人は「綿は腐らせておくしかない」と話している。「ひとたび畑に入ると、体中がかゆくなる。皮膚が腫れて腐ってくる」という。

 ヒ素とカドミウムは共に、人体にがんなどの死に至る可能性もある症状を引き起こす。(c)AFP