【9月28日 AFP】ロンドン動物学会(Zoological Society of LondonZSL)は25日、気候変動や生息環境の破壊、疫病などが原因で、21世紀半ばまでに欧州のカエルやイモリの種の半数以上が絶滅する危険性があると警告した。

 ZSLのトレント・ガーナー(Trent Garner)研究員は、ロンドン動物園(London Zoo)で講演し、暖冬の影響で、英国南部の冬眠中のカエルが以前より多くのエネルギーを消費するようになり、結果として不健康な状態でカエルが冬眠から目覚めるようになっていることが最新の研究で明らかになったと発表した。

 ガーナー氏は、メスのヒキガエルの生存率が低下していると述べ、「今後も最大の脅威は生息地の破壊で、ほかにも汚染や外来種の流入といった脅威がある。気候変動が強い影響を及ぼすことを示す証拠が発表され始めている。そのほかでは、伝染病が問題だ」と話した。

 欧州には両生類80種以上が生息し、その多くは地中海周辺に分布している。ガーナー氏は、気候変動の影響で、半島や島に閉じ込められる種も出てくるだろうと述べる。

 環境に特化した両生類の多くや、島に生息しているために生息地を変えることのできない種は、環境の変化に適応できないだろうと、ガーナー氏は話した。

 ガーナー氏は、伝染病のまん延を防止するための規制の実施を提案し、また、世界各地の動物園で、絶滅の危険性がある両生類の飼育下での繁殖を行うことが必要だと訴えた。(c)AFP