【9月27日 AFP】地球温暖化対策に関する国際研究計画「グローバル・カーボン・プロジェクト(Global Carbon ProjectGCP)が26日発表した二酸化炭素(CO2)排出に関する報告書で、中国が米国を抜いて世界最大のCO2排出国になったことが明らかになり、また世界の温室効果ガスのレベルが過去最高となっていると警鐘が鳴らされた。

 報告書「カーボン・バジェット2007(Carbon Budget 2007)」によると、2005年までは、世界の人為的なCO2の大半は先進国から排出されていたが、現在は総排出量の半分以上となる53%が開発途上国から排出されている。

 特に中国とインドで排出量が大きく増加しており、中国は2006年に米国を抜いて世界第1位となり、インドも間もなくロシアを抜き第3位となる。一方、先進国の増加量は緩やかになっている。

 2007年のCO2排出量は炭素約100億トン相当。うち85億トンを化石燃料が、残りは土地利用法の変化、主に森林破壊によるという。

 また、以下の点についても指摘されている。

-- CO2排出量は2000年以降、際立って増加している。2000-07年の平均年間上昇率は2.0ppm。これに対し、70年代は1.3ppm、80年代は1.6ppm、90年代は1.5ppmだった。

-- この10年の化石燃料からのCO2排出量は90年代の4倍に上る見通し。

-- 熱帯雨林の森林破壊による07年のCO2排出量は15億トン。内訳は、中南米とアジアでそれぞれ6億トン、アフリカで3億トン。

-- 海洋や森林などによる自然の「呼吸量」は、大気に排出され温室効果を高めていたはずのCO2排出量の半分以上を吸収することで、世界経済に対し年間 5000億ドル(約53兆円)相当の「巨額の補助金」となっている。ただし、「呼吸量」の効率は悪化しており、過去50年で5%低下し、今後も低下が続くという。

 この報告書は、26日にパリ(Paris)とワシントンD.C.(Washington, DC)で開催される会議で同時に発表された。地球圏-生物圏国際協同研究計画(International Geosphere-Biosphere ProgrammeIGBP)、地球環境変化の人間社会側面に関する国際研究計画(International Human Dimensions Programme on Global Environmental ResearchIHDP)、世界気候研究計画(World Climate Research ProgramWCRP)が支援するプロジェクトで、国連(UN)のデータ、学術専門誌に掲載された統計モデルや気候調査、また英石油大手BPのエネルギー関連のデータを基に、8人の専門家により作成された。(c)AFP