【9月18日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は17日、エネルギー資源をめぐって各国が開発権を主張している北極圏について、近い将来には正式な国境を設ける必要があるとの認識を示した。

 大統領はクレムリン(Kremlin)で開いた安全保障会議の席上、「大陸棚に国境を制定するための手続きをまとめなければならない。次世代への直接的責務だ」「北極圏は戦略的に重要だ」などと述べた。

 会議後、安全保障会議のニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)安全保障会議書記は記者団に対し、「北極圏におけるロシアの国益を守らなければならない。しかしカナダ、ノルウェー、デンマーク、米国もそれぞれの国益を守るだろうことは理解している」と述べ、北極圏に領土主権を主張しているのはロシアだけではないとの見解を示した。

 パトルシェフ書記はまた、ロシアは北極海航路を管理すべきだとの考えも示した。北極海航路はロシア北部を経由しアジアと欧州を結ぶ航路で、温暖化で氷が減少し安全性が増すとみられている。(c)AFP