【8月27日 AFP】「肉食をやめ菜食主義になれば、温室効果ガス排出量を大幅削減できる」としたドイツの科学者らによる研究結果が26日、発表された。

 ドイツの環境経済研究所(Institute for Ecological Economy ResearchIOeW)が消費者保護団体フードウォッチ(Foodwatch)の委託で実施した研究によると、人間が1年間に肉を食べて排出する温室効果ガスの量は、中型車で4758キロメートル走行した際の排出量に相当するという。一方、1年間、菜食のみで過ごした場合の排出量は、この半分の2427キロメートル相当だという。

 これらの排出量は、人間や動物が生存活動で自然に排出するメタンガスに加え、消費する食品の製造・廃棄過程や農地で排出される排出量を基に算出した。

 肉や乳製品を全く食べない菜食主義者となった場合、温室効果ガスの排出量は、肉食時のわずか7分の1の629キロメートル走行相当で、さらに有機野菜だけを食せば、同17分の1の281キロメートル相当にまで減らすことができる。

 肉の中でも、特に牛肉は環境への負荷が大きい。牛肉の製造課程で排出される温室効果ガスは、牛肉1キログラム当たり71キロメートル走行相当だという。豚肉では、1キログラムあたり26キロメートル相当だ。

 有機農業への転換も排出量を大きく削減できるが、研究結果では「重要なのは、われわれが食生活のあり方を見直すことだ。まず牛肉・牛乳の製産と消費を大幅に削減する必要がある」と指摘している。(c)AFP