【7月20日 AFP】オーストラリア最大のマレー・ ダーリング(Murray-Darling)水系について同国の連邦政府と州政府が作成中の報告書の内容の一部が20日までに明らかになり、同国を襲っている干ばつが続くと最大で100万人が飲料水不足に直面する可能性があることがわかった。

 報告書によると、フランス国土の2倍近くの広さで、豪州の農業生産額の約4割以上を生産する豪州東岸の大農業地帯に水を供給しているマレー・ ダーリング水系は深刻な状況にある。

 ペニー・ウォン(Penny Wong)気候変動・水資源相は、豪テレビ局のチャンネル9(Channel Nine)に出演し、「マレー・ ダーリング川流域は非常に深刻な状況だ」と語った。

「河川への水の流入量が非常に少なく、また、6月の降水量も非常に少なかった。マレー・ダーリング川流域の約100万人の飲料水確保を優先しなければならない。オーストラリアが気候変動の影響を極めて受けやすい国だということをあらためて思い知らされた」(ウォン水資源相)

 オーストラリアは100年に1度の規模の干ばつに見舞われている。干ばつが7年間続いている地域もあり、豪州国内の主要都市は水の利用制限を実施している。

 マレー・ダーリング水系は、2008年から2009年にかけては十分な量の飲料水を供給すると見られているが、この報告書によれば水の流入量が予測を下回り、水の損失量が予測を上回れば、飲料水確保のため新たな緊急対策が必要になるかもしれないという。(c)AFP