【6月19日 AFP】本来の生息域から数百キロ離れたアイスランドでホッキョクグマ(シロクマ)が発見されたと、地元の写真家が17日語った。

 地元のモルゲンブラディット(Morgunbladid)紙付きの報道写真家ラックス・アクセルソン(Rax Axelsson)氏によると、シロクマが発見されたのは北部の街Saudarkrokkurの近郊。卵や鳥を食べて生活しており、おなかをすかせた様子はないという。

 シロクマを発見したのは12歳の少女。16日に自宅の農場からさほど遠くないところで犬を散歩させていた時に、「何か白いもの」を発見した。ポリ袋かと思ったが、シロクマであることがわかり、家に走って戻った。「こんなに速く走ったのは生まれて初めて」と少女は語ったという。

 北極に住むシロクマがアイスランドに渡るには、冷たい水中を数百キロも泳がなければならないことから、同地でシロクマを見かけることは極めて珍しい。シロクマが目撃されたのは、過去2週間で2度目となる。専門家らは、地球温暖化の影響で北極の氷が後退を続け、シロクマが以前にも増して長い距離を泳ぐことを余儀なくされているのではないかと分析する。

 2週間前に発見されたシロクマは、捕獲するための道具がないとして当局が射殺した。今回発見されたシロクマについては捕獲したいとしており、デンマークのコペンハーゲン動物園(Copenhagen zoo)の獣医が応援に向かっている。

 投資会社Novatorを経営するアイスランド人のBjoergulfur Thor Bjoergulfssonさんは、このクマを保護して安全な環境に移すための資金を援助したいと申し出ている。(c)AFP