【3月14日 AFP】8月に五輪が開催される中国の首都北京(Beijing)で大気汚染を軽減するため、大会期間中に一定の交通規制が実施されることが分かった。国営新華社通信(Xinhua news agency)が7日、関係者の話として伝えた。

 同通信は北京市副市長の話として、「タクシー、バス、緊急車両を除く自動車を対象に、ナンバープレートの奇数、偶数の別に従って1日おきに走行規制を行う」と報じた。大会中の大気環境の保証とが目的で、自動車の利用を規制されるドライバーへの補償についても追って発表される。

 中国当局はこれまでにも、大会中の交通規制についてたびたび示唆してきたが、具体的な対策への言及は今回が初めて。

 北京は世界で最も大気汚染度の高い都市の1つで、参加選手の間では、健康への影響を懸念する声も上がっている。

 2007年8月には4日間の交通規制実験が行われたが、目に見えた大気環境の改善は見られなかった。

 国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長は大会開催1年前のカウントダウン式典で、大気汚染度が極めて高い場合、選手を守るために、マラソンなどの持久戦は延期もあり得ると発言している。

 郭金龍(Guo Jinlong)北京市長は1月、「環境汚染や交通混雑を制御するのは依然として困難」と述べる一方、今年は排出規制を強化するほか、工場の閉鎖や建設作業の一時中止などの汚染削減策を実施する方針を示している。(c)AFP