【3月10日 AFP】日本政府は10日、ソロモン諸島に対し、国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)に出席するための旅費を提供しようと申し入れたとの疑惑を否定した。

 ソロモン諸島のデレク・シクア(Derek Sikua)首相は8日、前週ロンドン(London)で行われた国際捕鯨委員会会合に、日本政府から日本側による旅費負担を条件に出席を求められたと述べていた。

 同国を訪問中の反捕鯨強硬派のケビン・ラッド(Kevin Rudd)豪首相との共同会見でシクア首相は、日本の要請を拒否したため会合には出席しなかったと語った。

 これに対して水産庁資源管理部遠洋課捕鯨班の諸貫秀樹(Hideki Moronuki)課長補佐は10日、日本はこれまでいかなる費用提供も示唆したことはないと否定した。

 さらに諸貫氏は、日本政府が各国代表を招いて時々開催している小規模な「捕鯨セミナー」とIWC会合を、シクア首相が混同しているのではないかと述べた。しかし、同セミナー主催の外務省によるとソロモン諸島は招待していないという。

 捕鯨の習慣がほとんどない発展途上国がIWCに加盟するケースが増えていることから長年、日本政府による買収疑惑が取りざたされ続けている。(c)AFP/Harumi Ozawa