【3月5日 AFP】オーストラリアの環境相がロックスターで、水産庁の捕鯨担当官がファンだった頃、2人は同じ歌に合わせ一緒に歌っていた。しかし、もう2人の声が揃うことはない。

 ロックバンド「ミッドナイト・オイル(Midnight Oil)」のボーカルだったピーター・ギャレット(Peter Garrett)豪環境相は現在、日本に調査捕鯨の中止を働きかけるオーストラリア政府の最先鋒に立っている。

 守りにまわる日本側の担当である水産庁捕鯨班の諸貫秀樹(Hideki Moronuki)課長補佐は5日、ギャレット氏は「ファンを一人失った」と述べた。

 豪AAP通信(Australian Associated Press)の電話取材に答えた諸貫氏は、「高校生の頃にミッドナイト・オイルを聞いていた。彼の音楽が好きだったが、今は違う」と述べた。諸貫氏は「これまでの大臣は政治情勢を考慮していたが、ギャレット大臣は非常に直接的だ」と答え、オーストラリアの歴代の環境相に比べ、ギャレット環境相は非外交的でより攻撃的だったと語った。

 ギャレット環境相は、国際捕鯨委員会(IWC)の商業捕鯨モラトリアムから日本が継続している調査捕鯨が許可される余地をなくそうと試みている。しかし、ギャレット環境相が提案したIWC改革案について、諸貫氏はばかげていると一蹴した。(c)AFP