【2月25日 AFP】(写真追加)英航空大手ヴァージンアトランティック航空(Virgin Atlantic Airways)は24日、バイオ燃料を一部使用した旅客機のテスト飛行を行った。旅客機のバイオ燃料による飛行は初めて。

 使用した機体はボーイング(Boeing)747型機。従来の燃料である灯油とともにバイオ燃料を使用し、乗客は乗せずにロンドン(London)からオランダのアムステルダム(Amsterdam)まで飛行した。

 同社のリチャード・ブランソン(Richard Branson)会長は、「歴史的な飛行だった」と感想を述べた。

 使用されたバイオ燃料はババス油とココナツ油を混合した燃料。両種の油は、リップクリームやシェービングクリームなどの化粧品に用いられている。

■環境保護団体からは非難の声

 一方、環境保護活動家らは、バイオ燃料に使われる穀物を生産するために未開の土地などを開発することは、大量の温室効果ガスを排出し、かえって地球温暖化を助長するとして、バイオ燃料は代替燃料にはならないと主張している。

 国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の研究者Doug Parr氏は、今回のテスト飛行を「環境保護を考慮していると思わせるための偽りの活動」だと批判した。

 同氏は、「限られた土地で、バイオ燃料のための穀物などを栽培することが、世界の貧困地域、生物の多様性、気候に悪影響であることはすでに科学的に証明されている」と述べた。

 2月8日の米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された研究報告によると、熱帯雨林、サバンナ、湿地帯、草地などに作られる新たな穀倉地帯から排出される二酸化炭素(CO2)は、バイオ燃料を使うことで減少するCO2の排出量を優に超えるという。(c)AFP