【1月21日 AFP】地球上で最も多様な海洋生物が生息するサンゴ礁とされるインドネシアの「コーラルトライアングル」。科学者らは21日、このサンゴ礁が捕食性のオニヒトデの急激な増殖により脅かされていると警鐘を鳴らした。

 サンゴを捕食するオニヒトデの大群は、米国の自然保護団体「野生生物保護協会(Wildlife Conservation SocietyWCS)」とオーストラリアのサンゴ礁研究団体「ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies」が行った、インドネシアのマルク諸島(Maluku Islands)ハルマヘラ島(Halmahera)周辺のサンゴ礁の調査で発見された。

 科学者らは、サンゴ礁の破壊が局所的に発生していることから、破壊は気候変動によるものではなく、「水質の悪化」に起因するオニヒトデの増殖によるものと考えている。また、サンゴ礁の破壊範囲がさらに拡大する恐れもあるという。

「コーラルトライアングル」はインドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島をはさむ海域を指す。この海域には世界全体の半分以上のサンゴが生息し、種類は600種を超える。3000種以上の海洋生物が生息し、世界のマグロ漁獲高の3分の1はこの海域からのもの。コーラルトライアングルの海洋資源で生計を立てている人は1億2000万人に上るという。(c)AFP