【11月27日 AFP】世界博覧会機構(International Exhibitions BureauBIE)は26日、フランスのパリ(Paris)で2012年世界博覧会開催地の決定投票を行い、韓国の麗水(Yeosu)を2012年開催地に決定した。

 韓国政府関係者がAFP記者に語ったところによると、総得票数で麗水がモロッコのタンジール(Tangiers)とポーランドのウロツワフ(Wroclaw)を大幅に上回ったという。

 2次投票まで進み麗水と最後まで開催地を争ったモロッコとポーランドは涙を飲むかたちとなった。

 会場となったパレデコングレ(Palais des Congres)では、韓国代表団が歓喜の歓声をあげるなか、悲嘆にくれるモロッコ代表団の姿が対象を成していた。

 地元韓国麗水の市庁舎前で徹夜で投票の行方を見守っていた麗水市民らも、27日未明に開催地決定の様子が屋外スクリーンに映し出されると、互いに抱き合うなどして決定を喜び合った。続いて、夜明けの空に花火が打ち上げられ、市庁舎前には太極旗を手に国歌を口ずさむ市民らであふれ、麗水市内はお祭りムード一色に包まれた。

 麗水市長は「この10年間、全市民が一致団結して世界博開催に向け取り組んできたことが実を結んだ」と喜びを語った。また、盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)大統領はパリの韓国代表団に祝辞を送った。

■テーマは「海洋」

 韓国南部全羅南道の先端に位置する麗水は、人口32万1000人の沿岸都市。世界博開催により、海外からの観光客43万人の誘致を見込んでいるほか、9万人の雇用を生み出すなど、数十億ドル規模の経済効果が期待される。

 主催者側は、「生きている海、呼吸する沿岸」をテーマに、海洋における持続可能性や種の多様性の保全、温暖化による海面上昇などへの解決策を提示し合う場にしたいとしている。また、盧大統領も3000万ドル(約32億円)の補助金拠出を確約するなど、韓国政府も麗水での開催を全面的に支援している。(c)AFP/Cecile Feuillatre