【11月26日 AFP】南アフリカのケープタウン(Cape Town)で、28日から「第4回地球観測サミット」が開かれ、100以上の政府や国際機関などの代表が、悪化しつつある地球環境を観測する新たな方法を協議する。

 地球観測に関する政府間会合(Group on Earth ObservationsGEO)主催の同サミットでは、3日間の日程で各国の環境観測システムの世界的統合化の進ちょく状況を確認する。

 GEO事務局は声明で、「気候変動や森林破壊、砂漠化、水不足など人為的圧力による環境破壊の危険性を懸念し、各国政府はGEOを通じて、地球上の陸地、海洋、大気圏、生物圏での変化についての包括的かつ即時的な情報を確保するために協力している」とし、「これは世界中の海洋ブイ、測候所、衛星ほか地球観測装置を完全に統合されたシステムとして相互連結することで達成される」と述べた。

 2015年までの10年実施計画として、各国の環境変化や災害に対する脆弱(ぜいじゃく)性を補完し、農業やエネルギーなどの資源の管理体制を向上する「全球地球観測システム(GEO System of SystemsGEOSS)」の完成を目指す。

 サミットではGEOSSの「早期達成」100項目を協議する。この中には、世界的干ばつの早期警告システムに向けた第1段階や、アフリカの日常的火災の危険性を示す地図の導入などが含まれる。

 サミットには72か国の政府、欧州委員会(European Commission)と46の国際組織の代表が参加する。このサミットの数日後には、インドネシアのバリ(Bali)島で、気候変動枠組条約締約国会議が開幕する。

 今月、国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Panel on Climate ChangeIPCC)は、地球温暖化について、すべての国が「急激もしくは回復不能」な影響を免れないと、これまでで最も厳しい警告を発表した。

 IPCCによると、2100年までに、平均地表面温度は1.1-6.4度、海面は少なくとも18センチ上昇上昇する可能性がある。また、熱波、暴風雨、熱帯低気圧、海面急上昇が、広範囲にわたり頻繁に発生し、威力も増すだろうと指摘している。(c)AFP