【11月20日 AFP】中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は19日、同国内の省エネ・汚染削減が順調に進んでおらず、目標達成は困難であることを明らかにした。

 経済急成長が環境を破壊し続けた結果、中国では約70%の水路が汚染され、都市の大気環境は世界でも最低水準に。汚染削減のため、2006年から2010年の間に国内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費量を20%削減し、主要汚染物質を10%削減する目標を掲げている。

 一方、同国の環境監視団体は14日、2007年1-9月の主要大気汚染物質である二酸化硫黄排出量は1.81%減少し、水質汚濁の指標である化学的酸素要求量(COD)は0.28%低下したと発表。だが、政府はすでに2006年のエネルギー消費量、汚染物質排出量とも増加したことを認めている。

 温首相は目標達成を改めて表明。老朽化した発電所や多数の非効率的な炭鉱などを閉鎖したため、結果は今後3年間で明確に表れるはずだと述べた。

 これに対し、国家環境保護総局(State Environmental Protection AdministrationSEPA)の周生賢(Zhou Shengxian)局長は、「2010年の目標達成は楽観視できない」と厳しい態度を崩していない。SEPAが9月に発表した報告によると、工業化が急速に進展した場合、汚染削減目標の達成は徐々に難しくなるという。(c)AFP