【11月12日 AFP】オーストラリアのクイーンズランド(Queensland)州政府が環境保護のため、1万頭を超える野生のウマの射殺を計画していることに対し、動物愛護運動家らが11日、これを残酷だとして非難した。

 同州政府は市民の抗議を恐れ、野生のウマを射殺処分する計画を公表していなかったが、計画を裏付ける文書をメディアが入手。また、慈善団体「Save the Brumbies」は野生のウマの射殺現場を写したとされる写真をウェブサイトに掲載した。

 掲載されている写真の中には、死んだ母ウマを見下ろす子ウマや、尻と腹部に傷を負って死にかけているウマなどが映し出されている。

 動物愛護団体はウマが土壌の侵食を引き起こし、淡水泉や、先住民アボリジニの文化遺産を破壊、同国固有の野生生物と食料を奪い合っているとする州政府の考えを認めているものの、馬の過剰な増加への対応が遅すぎると主張。また、州政府がこの問題に対して見て見ぬふりを続けてきたことが、ウマをヘリコプターから射殺するという残酷な事態につながったとの見解を示している。

 愛護団体「Brumby Watch Australia」のKristine Sempfさんはブリスベーン(Brisbane)の地元紙Courier-Mailに対し、野生のウマを飼いならす方法もあると述べている。

 また、英国動物虐待防止協会(RSPCA)オーストラリア支部は野生のウマの処分計画を容認しながらも、銃で撃つより雌ウマに薬物を注射して不妊にする方法が好ましいとしている。(c)AFP