豪の「トイレ大使」、トイレと人権について語る
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【11月2日 AFP】トイレを使うことができないのは人権の侵害である―インドのニューデリー(New Delhi)で10月31日から開催されている「第7回世界トイレサミット(World Toilet Summit)」で、配管工のキャラクターで知られるオーストラリアの俳優が証言した。
■26億人がトイレに不自由
2006年にコメディー映画「ケニー(Kenny)」の主人公の配管工ケニー・スミス(Kenny Smyth)役を演じた俳優シェイン・ヤコブソン(Shane Jacobson)氏は、次のように語った。「『平等の権利』というと、ほとんどの人が女性の選挙権や、有色人種の仕事の選択肢などを想像する。世界人口の半数がトイレを使うことができない事実については誰も触れない。不平等以外の何ものでもないのに」
現在、世界人口の4割以上に当たる約26億人が、水や土壌を汚染しない清潔で衛生状態のいいトイレを使える環境にない。
ヤコブソン氏は、現在オーストラリアのテレビ番組向けの「ケニー」を撮影中だ。全8話の同番組では、主人公ケニーがインド・日本・スウェーデン・米国などのトイレ文化を紹介する。
映画とテレビの撮影を通じてヤコブソン氏は、インドや中国の女性を筆頭に、あまりにも多くの人々が悲惨なトイレ事情に苦しんでいる現実にショックを受けたという。「男性はいつでもどこでも排便できる。しかし女性は夜中の2時や5時まで我慢し、万が一に備えて連れ立って、暗闇に隠れて用を足さねばならない。人権の侵害だし、人間の尊厳にかかわることだ」
■選挙権よりトイレ使用権が大事
また、人々が選挙権を主張するのと同じようにトイレ使用権を主張しないことに驚きを隠せないという。
「選挙は4年に1回しか行かないが、トイレには毎日行く。選挙権がなくても3、4年に1回投票ができないだけだが、『トイレにこっそり行く権利』がなければ、同じ期間に1200回以上も権利を侵害されていることになる」
今週、「ケニー」はインドのラジャスタン(Rajasthan)州を訪問し、毎朝バケツで排泄物を捨てる仕事をする女性の取材を行った。
その後、40か国から参加者が集まる世界トイレサミットに出席。「世界人口に占めるトイレが利用できない人の人口を2015年までに半減する」という、国連(UN)の『ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals、MDGs)』の実現手段について議論した。
ヤコブソン氏の今後の目標は、ロシア製の宇宙用無重力トイレを試すことだ。
同氏の番組は、国際衛生年(International Year of Sanitation)となる来年2008年4月より、オーストラリアのNetwork Tenで放送される。(c)AFP/Tripti Lahiri
■26億人がトイレに不自由
2006年にコメディー映画「ケニー(Kenny)」の主人公の配管工ケニー・スミス(Kenny Smyth)役を演じた俳優シェイン・ヤコブソン(Shane Jacobson)氏は、次のように語った。「『平等の権利』というと、ほとんどの人が女性の選挙権や、有色人種の仕事の選択肢などを想像する。世界人口の半数がトイレを使うことができない事実については誰も触れない。不平等以外の何ものでもないのに」
現在、世界人口の4割以上に当たる約26億人が、水や土壌を汚染しない清潔で衛生状態のいいトイレを使える環境にない。
ヤコブソン氏は、現在オーストラリアのテレビ番組向けの「ケニー」を撮影中だ。全8話の同番組では、主人公ケニーがインド・日本・スウェーデン・米国などのトイレ文化を紹介する。
映画とテレビの撮影を通じてヤコブソン氏は、インドや中国の女性を筆頭に、あまりにも多くの人々が悲惨なトイレ事情に苦しんでいる現実にショックを受けたという。「男性はいつでもどこでも排便できる。しかし女性は夜中の2時や5時まで我慢し、万が一に備えて連れ立って、暗闇に隠れて用を足さねばならない。人権の侵害だし、人間の尊厳にかかわることだ」
■選挙権よりトイレ使用権が大事
また、人々が選挙権を主張するのと同じようにトイレ使用権を主張しないことに驚きを隠せないという。
「選挙は4年に1回しか行かないが、トイレには毎日行く。選挙権がなくても3、4年に1回投票ができないだけだが、『トイレにこっそり行く権利』がなければ、同じ期間に1200回以上も権利を侵害されていることになる」
今週、「ケニー」はインドのラジャスタン(Rajasthan)州を訪問し、毎朝バケツで排泄物を捨てる仕事をする女性の取材を行った。
その後、40か国から参加者が集まる世界トイレサミットに出席。「世界人口に占めるトイレが利用できない人の人口を2015年までに半減する」という、国連(UN)の『ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals、MDGs)』の実現手段について議論した。
ヤコブソン氏の今後の目標は、ロシア製の宇宙用無重力トイレを試すことだ。
同氏の番組は、国際衛生年(International Year of Sanitation)となる来年2008年4月より、オーストラリアのNetwork Tenで放送される。(c)AFP/Tripti Lahiri