【10月13日 AFP】太平洋に浮かぶソロモン諸島が次週、イルカ30頭をアラブ首長国連邦に輸出することが分かった。同国は4年前に国際的な非難を受けてイルカの輸出禁止措置を取っていただけに、環境保護団体などは反発を強めている。

 ソロモン諸島の民間企業Solomon Islands Marine Mammal Education Centre and Exporters Limitedは12日、イルカ30頭をガブツ(Gavutu)島にある同社の水産場から航空機2機でアラブ首長国連邦のドバイ(Dubai)に空輸すると発表した。同社のRobert Satu社長は、イルカを乗せたDC-10型機は16日にドバイに到着する予定だと述べた。

■イルカの輸出をめぐって4年前から論争

 2003年に生きたイルカをメキシコに輸出したことで、激しい国際的な抗議を受けたソロモン諸島政府は同年、生きたイルカの商業取引を禁止していた。

 しかしSatu社長はこの政府による決定を憲法違反だと主張、政府を相手取って裁判を起こし、今年初めに勝訴していた。これを受け、2004年に就任した現総督はイルカの輸出を許可。次週にはイルカの到着を記念する代表団がドバイに派遣される。

 Satu社長は、ドバイでは保護活動家による抗議活動や妨害行為に備え、安全確保のため現地の警備会社を雇ったという。同社と政府は「金や木材より多額の」利益を得たと述べたものの、正確な金額は明らかにしなかった。

 ソロモン諸島の主要産業は木材輸出だが、再生不能な速度で伐採が進んでおり、同国中央銀行の試算では5年以内に木材産業は破たんする。Satu社長は、地元当局がイルカ農場を設立すれば、イルカの輸出によって経済発展も可能だと考えている。

■環境保護団体は反発

 一方、ソロモン諸島政府が生きたイルカの商業取引を再開したことについて、サンフランシスコ(San Francisco)に拠点を置くEarth Islands Instituteなど国際環境保護団体は反発を強めている。(c)AFP