【10月11日 AFP】農地の減少が進む中国で、伝統的なコメに代えてジャガイモを主食として促進していくことが検討されている。

 中国では広い範囲で農村地帯が工業地帯や住宅地に変わり、また農業に温暖化が影響を及ぼし、人口13億の国民を支える食糧生産が困難になる一方だ。

 10日の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、ジャガイモはコメの栽培には向かない乾燥地帯でも育つため、少ない耕地でもより多くの収穫高を得られる作物として、中国農業科学院では真剣に主食としての栽培促進を研究している。

 同院の屈冬玉(Qu Dongyu)副院長は、「ジャガイモ栽培によって1ヘクタールごとの単位収穫量が少しでも増えるだけで、増加する人口による大量の食糧需要を満たす支えになる。ジャガイモは間違いなく、主食作物の中で最も栄養価が高く、ビタミンB、Cのほかタンパク質やミネラル分も豊富だ」と期待をかける。

 中国の耕作地は近年、1億2200万ヘクタールにまで減少した。政府が「危険ライン」としているのは1億2000万ヘクタールで、耕作地がこれ以下に減ると人口全体に必要な食糧が確保できないと、前月報道されていた。

 食糧問題に対する懸念から、貴重な農地を奪うことになってはいけないと、中国政府は前月に予定していた全土への植林を中止した。(c)AFP