【9月19日 AFP】欧州委員会(European Commission)は19日、大西洋東部および地中海における本マグロ(クロマグロ)漁の年内禁止を決定した。同海域に生息する本マグロは乱獲され、資源が減少している。

 これはEU加盟各国からの報告により、EU全体の2007年の本マグロ割当漁獲量1万6779.5トン分を捕獲しきったことが判明したことを受けた措置。同委員会は声明で「(今年のこれまでの漁獲量を受け)EU全体で本マグロ漁を禁止しなければならない」と発表した。

 今回の捕獲禁止の影響を受ける国はキプロス、ギリシャ、マルタ、ポルトガルとスペインで、そのほかイタリアとフランスはすでに7月と8月にそれぞれ本マグロ漁を停止している。

 同委員会はまた、EU全体の漁獲高をリアルタイムで監視するために必要な捕獲データ報告に不手際があった点を認めた。今後そうした欠陥に対処し、翌年までには、同様の問題発生時の解決策を用意するとしている。

 ジョー・ボルジ(Joe Borg)欧州委員会漁業・海事担当委員は「すでに枯渇の危機にある資源を乱獲するという問題、さらに関係する加盟各国同士の割り当ての両方に問題があったのは明らか。委員会の責務として、これらの問題に対処するためにあらゆる緊急措置を実行する」と述べた。

 EUに対する本マグロの割当漁獲量は、1月に東京で開催された「大西洋まぐろ類保存国際委員会」(International Commission for the Conservation of Atlantic TunasICCAT)で決定されたもので、同委員会の指定漁法による操業に合意した関係各国間で振り分けられた。今年の漁獲高が割当量に満たない国は、その分を翌年以降に持ち越すことができる。同様の仕組みはEU内でも個別に存在する。ICCATでは捕獲量を超えた国に罰則を課す規定がある。(c)AFP