【8月22日 AFP】農林水産省は22日、エネルギー不足解消のために、これまで廃棄されるだけだった数百万膳の割り箸をバイオ燃料に再利用する試みを始めると発表した。

 バイオ燃料は代替クリーンエネルギー資源と考えられており、中東の石油への依存の軽減や、地球温暖化の影響の削減が期待できる。日本は自国で産出される天然資源をほとんど有していない。

 レストランやコンビニではたいてい自動的に使い捨ての割り箸が配布されるが、農水省によると、人口約1億2700万の日本で1人あたり年間平均約200膳使用する計算となり、材木9万トンに相当するという。

 農水省は使用済み割り箸の回収箱を設置する予定で、同省当局者は「温室効果ガスの排出も含めて、再処理施設への輸送やバイオ燃料の製造など、割り箸回収プロセスの長所と短所を検討する」と明らかにした。

 これまで、使い捨て割り箸は日本の林業業界にとってドル箱だった。業者は、捨てるしか使い道のない小さな木片を利用して割り箸を製造しているという。ただし現在、日本で使用される割り箸の約90%が中国製で、竹やアスペンが使用されている。

 農水相は、割り箸の再処理方法の研究費を予算に組みたい意向だ。また、ストローなどもバイオ燃料に転用できないかも研究したいとしている。

 一方、バイオ燃料で最も有名なエタノール燃料は、てん菜、麦、トウモロコシ、サトウキビなどの食物から作られる。

 国連食糧農業機関(Food and Agricultural OrganisationFAO)と経済開発協力機構(Organisation for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)の前月の報告では、今後10年でバイオ燃料への依存度が高まることから、貧困国での食糧価格の急騰が懸念されている。

 また、中国の食品協会は今月初め、来年開催される北京五輪を環境に優しいイベントにするための「緑の五輪」キャンペーンの一環として、使い捨て割り箸の使用を中止するよう要請した。同協会によると、中国では毎年450億膳の割り箸が使い捨てされているという。(c)AFP