【7月19日 AFP】(7月19日一部修正)1キロの牛肉は、家の電気をすべてつけたまま自動車を3時間運転するよりも多くの温暖化ガスを排出し、より深刻な環境汚染を引き起こす--日本での調査研究をもとにした、このような論文が21日発行の英科学雑誌『ニュー・サイエンティスト(New Scientist)』に掲載される。

 この論文は、つくば市の「畜産草地研究所(National Institute of Livestock and Grassland Science)」の荻野暁史(Akifumi Ogino)さんが率いるチームが、従来型の飼育、食肉処理、食肉の流通の過程を通じて畜牛の飼育が環境に与える影響を計算した研究を紹介。

 そのデータから計算すると、牛肉1キロの生産過程において、主要な温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)36.4キロ相当が排出されることが判明したという。その大半は、畜牛の消化器系からメタンガスとして放出される。

 また、畜牛の飼育のためには飼料の生産や運搬が必要なため、牛肉1キロは、100ワットの電球を約20日間点灯するのと同等のエネルギーを要するという。(c)AFP