【6月26日 AFP】中国南西部の雲南(Yunnan)省昆明(Kunming)郊外の湖、タイ池 (Dianchi)で藻が大量繁殖し、水面が緑色に変色。25日、香港紙「東方日報(Oriental Daily)」が伝えた。

 藻の大量繁殖は国内各地の大きな湖で拡大しており、駆除作業に数億ドルの費用が投じられているなかでの大量繁殖の確認となった。

 同紙によると、「この数日の高温多湿により、タイ池では藻が大量繁殖。水は湖岸までペンキのような緑色に変色した」という。タイ池は同国で6番目に大きな湖で、1990年代初頭から深刻な水質汚染に見舞われている。そして毎年、夏になると藻が大量繁殖する。

 淡水湖としては国内で3番目に大きな江蘇(Jiangsu)省の太湖(Taihu)、5番目に大きな安徽(Anhui)の巣湖(Chaohu)では前月下旬と今月上旬にそれぞれ同様の大量繁殖が観測され、国内水系の水質悪化が浮き彫りにされた。

 国家環境保護総局(State Environmental Protection Administration)の調査によると、国内水路の70%以上、地下水の90%以上が汚染されている。

 太湖での藻の大量繁殖では、近隣に暮らす数百万人の住民が使用する水道水に影響が及んだが、タイ池は汚染がひどいため、もともと給水源にはなっていない。

 中国環境科学研究院(China Research Academy of Environmental Sciences)の報告によれば、1990年から2003年にかけて藻の駆除には4億6400万ドル(約574億円)が投じられ、うち約1億7500万ドル(約217億円)は国際復興開発銀行(International Bank for Reconstruction and DevelopementIBRD、世界銀行)から融資を受けた。

 在中国米国大使館からの報告によると、湖の藻の駆除費用は総額で20億ドル(約2470億円)を上回る。(c)AFP