【6月20日 AFP】グリーンランド北端では春が10年前より数週間も早くやってくることが18日に発表された研究結果で明らかとなり、これにより地球温暖化が北極圏においても広く影響を及ぼしていることが強調された。

 研究者によると、高緯度北極原産の植物、昆虫、鳥類は同地域の早い雪解けに対応するため、たった10年間で劇的に季節周期を調整してきたという。

 植物、昆虫、またミユビシギやキョウジョシギなどの鳥類は、活発化する春の活動を1996年から2005年の10年間で平均して2週間ほど早めている。

 一部の例では、冬の積雪層を溶かす急激な気温上昇に対応するかのように、1996年と比較して2005年では30日も早く花が芽を出し、幼鳥がふ化したケースも確認された。

 デンマークのオーフス大学(University of Aarhus)・National Environmental Research Instituteの研究者は「多くの人がすでに考えているように季節は変化してきている。その変化は数年の温暖な年というものではなく、10年にわたって見られるはっきりとした傾向だということがわれわれの研究によって確認された」と述べる。

 この傾向は北極圏の早い春の雪解けに端を発しており、10年前より約2週間も早く溶け始め、研究者らはこの結果が地球規模での気候変動に対する警告となるはずだと述べる。

 気温の上昇自体は予期されていたものの、その変化の速度は驚異的で、北極圏では地球全体平均と比べて2倍の上昇率を示している。(c)AFP