【6月6日 AFP】ハーグ(Hague)で3日から始まったワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、CITES)締約国会議で6日、日本による捕鯨をめぐる現状の見直し要請が否決された。可決されていれば、商業捕鯨再開への足がかりとなる可能性があった。

 日本は絶滅危惧(きぐ)種としてリストアップされている13種の大型クジラの見直しなどを要請。これに対し、54か国が反対、26か国が賛成、13か国が棄権した。

 日本は前週、米アラスカ(Alaska)州アンカレジ(Anchorage)で開催された第59回国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)年次総会で、20年にわたり続いている商業捕鯨モラトリアム(一時停止)の撤廃を訴えたがかなわなかった。日本政府代表団は脱退を含め対応を考える方針を表明した。

 環境保護論者らは、日本がワシントン条約締約国会議を通じて、商業捕鯨再開を狙っているとして非難した。

 国際動物福祉基金(International Fund for Animal Welfare)のプログラム・マネージャー、Peter Pueschel氏は「(CITESの)動物委員会(Animals Committee)による見直しを要請することで、日本その他の捕鯨国は裏口から絶滅危惧(きぐ)種リストからクジラを除外しようとしている」と非難した。さらに「裏口は閉まっているが」と付け加えた。

 さらにCITES代表団は、これまで認められていたナガスクジラの調査停止を3対1で可決した。

 日本代表団の1人は「日本はこの結果に非常に落胆している。これは科学の問題だ。求められているのは、単純にCITESが適正に機能することだけだ」と語った。(c)AFP