【5月2日 AFP】米カリフォルニア(California)州で開かれている故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの急死をめぐる裁判で1日、過失致死罪で有罪となった元専属医のコンラッド・マーレー(Conrad Murray)受刑者は当時、多額の借金を抱えていたと捜査関係者が証言した。

 この裁判は、マイケルさんが急逝した翌月に企画されていた英ロンドン公演の主催者AEGライブ(AEG Live)を相手取ってマイケルさんの母キャサリン(Katherine Jackson)さん(82)が起こしたもので、ロサンゼルス(Los Angeles)郡地裁で前月28日に始まった。キャサリンさんは、AEGライブがマーレー受刑者をマイケルさんの専属医として雇用し続けたのは不用意であり、利益を追求するあまりマイケルさんの著しい体調悪化を無視したと非難している。

 マイケルさんは、慢性的な不眠症の治療としてマーレー受刑者が処方した強力な麻酔・鎮静剤のプロポフォールの過剰摂取が原因で死亡した。マーレー受刑者は2011年にマイケルさんの死に関する過失致死で有罪となり、現在は禁錮4年の刑に服している。

 原告側弁護士は、当時マーレー受刑者が経済的に困窮しており、マイケルさん専属医としての月15万ドル(約1450万円)の高額報酬が何としてでも必要だったと指摘。そのためマイケルさんの要求を全て聞き入れ、プロポフォールの処方につながったと主張している。

 1日の裁判では、マイケルさんの急死を捜査していた警察官のオーランド・マルティネス(Orlando Martinez)氏が証言台に立ち、マーレー受刑者は当時、奨学金、クレジットカードのローン、オフィス賃貸料などでネバダ(Nevada)州やミズーリ(Missouri)州など全米各地に負債を抱え、1件当たり10万ドル(約970万円)を超える借金もあったと語った。(c)AFP