【12月31日 AFP】米歌手マドンナ(Madonna)さんがアフリカのマラウイ共和国に今年1年間で10校の小学校を建てた。すでに6校が開校しており、来年1月の登校初日には全10校が児童を迎える。

 この支援事業はマドンナさんが設立した慈善団体「レイジング・マラウイ(Raising Malawi)」と国際NPOの「buildOn」によるもの。今年できた小学校で4871人の子どもたちが教育を受けるという。

 レイジング・マラウイが発表した声明でマドンナさんは「子どもたちの教育を支援するために、buildOnと一緒にやって来た取り組みが実って心から嬉しい。特に女の子が教育を受ける機会がほとんどない国において、(自分が建てた)学校に通う児童の半分以上が女の子だということに感激している。4800人以上のマラウイの子どもたちが来年学校に行けるというのは、子どもたち自身の成長にとっても、マラウイの成長にとっても大きなステップだ」と述べた。

 国連(UN)の人間開発指数(Human Development IndexHDI)によると、マラウイは世界で最も開発が遅れている20か国のうちの1つで、人口約1300万人のうち39%が1日当たり1ドル未満で暮らす「貧困ライン」を下回っている。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の推定によれば、貧困と通学距離の遠さが原因で、小学校を卒業するのは男子の26%、女子の16%にとどまっている。

 マドンナさんは以前にも1500万ドル(約13億円)を投じて貧困家庭の女子を将来のリーダーとして育てる学校「レイジング・マラウイ・アカデミー・フォー・ガールズ(Raising Malawi Academy for Girls)」の建設をマラウイで目指したが、財務処理に不適切な点があると指摘され、2年前に計画を中止していた。この時は500人に奨学金を提供する計画だったが、計画中止後にマドンナさんは、全女子の3分の2が小学校より先の教育を受けていないマラウイにあってこの計画は不十分だったと述べ、いくつもの学校を作って「数百人ではなく何千人もの女の子」が教育を受けられるようにしたいと語っていた。(c)AFP