【7月26日 AFP】米国の裁判所は25日、故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの母親が行方不明になったことを受け、マイケルさんの甥であるTJ(TJ Jackson)さん(34)を子供たち3人の一時的な後見人として任命した。

 長男プリンス君(15)、長女パリスさん(14)と次男ブランケット君(10)の養育権はマイケルさんの母キャサリン(Katherine Jackson)さんが持っていたが、ミッチェル・ベックロフ(Mitchell Beckloff)判事はキャサリンさんがロサンゼルスの自宅からいなくなったことを受け、養育権を停止する決定を下した。

 2009年6月にマイケルさんが突然亡くなって以来、親族の間では遺産や法的問題をめぐる争いが起こっている。

 キャサリンさんの所在は現在も定かではない。警察には家族の1人から捜索願いが出されているが、マイケルさんの兄ジャーメイン(Jermaine Jackson)さんは、キャサリンさんはアリゾナ(Arizona)州で休暇中だと話している。

 だが、パリスさんがツイッター(Twitter)上に投稿した一連の怒りのメッセージで疑念はさらに拡大した。パリスさんは22日の投稿で「ええ、おばあちゃんは行方不明です。もう1週間も連絡が無い。すぐに帰ってきてほしい」、そして24日には「もう9日…神様、助けてください。こんなことをしたのが誰にせよ、後悔させてやる」と書き込んでいる。

 TJさんとキャサリンさんの弁護士はベックロフ判事に対し、キャサリンさんが自宅からいなくなったのは自発的な行為ではなかった疑いがあると主張した。

 法廷で証言したTJさんは、キャサリンさんと24日に話した際、様子がおかしいことに気付いたと述べている。「祖母があんなふうに話すのは今まで聞いたことがない。簡単な質問に対しても、あやふやな反応しかなかった」

 複数の芸能メディアは、キャサリンさんの「失踪」が、マイケルさんの遺産が自分たちに全く分配されなかったことに激怒したとされる兄弟姉妹による誘拐事件ではないかとの憶測を報じている。

 マイケルさんの兄のティト(Tito Jackson)さんとジャーメインさん、弟のランディさん、姉のレビー(Rebbie Jackson)さんと妹のジャネット(Janet Jackson)さんは今月17日、2002年に作成された遺言状にあるマイケルさんの署名が遺言執行者らによって偽造されたものだと告発する共同声明をウェブサイト上で発表している。

 声明には「遺言状は偽物で、欠陥があり、詐欺的なものであることは疑いの余地が無い」と書かれている。芸能情報サイトTMZによれば、TJさんの父親であるティトさんは後にこの共同声明のメンバーから脱退している。(c)AFP