【6月27日 AFP】『恋人たちの予感(When Harry met Sally)』や『めぐり逢えたら(Sleepless in Seattle)』などで知られ、監督としても人気だった米脚本家ノーラ・エフロン(Nora Ephron)さんが26日、急性骨髄性白血病による肺炎のため死去した。71歳だった。

 エフロンさんは1941年5月19日、ニューヨーク(New York)に生まれた。両親は、ブロードウェーやハリウッドで活動する脚本家で、エフロンさんには「メモを取りなさい。すべてが題材だから」と話していたという。

 小説家やエッセイスト、ジャーナリストとしての顔も持つエフロンさんは、エスクァイア(Esquire)、ニューヨーク・マガジン(New York Magazine)、ニューヨーク・ポスト(New York Post)、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)などで記者として活動した後、脚本家に転向。デビュー作品となった『シルクウッド(Silkwood)』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、その後、ビリー・クリスタル(Billy Crystal)とメグ・ライアン(Meg Ryan)の『恋人たちの予感』(1989年)やライアンとトム・ハンクス(Tom Hanks)の『めぐり逢えたら』(1993年)でロマンチック・コメディーの脚本家として人気を得た。

 1998年の『ユー・ガット・メール(You've Got Mail)』では、ライアンとハンクスを再び主役に迎えている。

 私生活では3度の結婚を経験。2人目の夫はウォーターゲート事件を暴いた記者カール・バーンスタイン(Carl Bernstein)氏で、エフロンさんはこの結婚生活をもとに小説『Heartburn』を執筆。この小説はのちに、『心みだれて(Heartburn)』として映画化された。

 最後の作品となったのは、度々同じ作品に携わり友人でもあったメリル・ストリープ(Meryl Streep)主演の『ジュリー&ジュリア(Julie and Julia)』(2009年)だった。
 
 ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長は、「記者として活動していた頃からハリウッドでの成功を収めるまで、ノーラはいつもニューヨークの美しい物語を愛してくれて、他の誰にもできないような方法で語ってくれた」とコメントし、エフロンさんをしのんだ。(c)AFP