【2月19日 AFP】(写真追加)今月11日に急死した米歌手ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)さんの葬儀が18日、故郷のニュージャージー(New Jersey)州ニューアーク(Newark)の教会で営まれた。

 ヒューストンさんの遺体は、ヒューストンさんが幼少時代に歌を歌ったニューホープ・バプテスト教会(New Hope Baptist Church)に、黄金色の霊きゅう車で運ばれた。

 4時間に及んだ葬儀は、米俳優ケビン・コスナー(Kevin Costner)氏と共演した大ヒット映画「ボディガード(The Bodyguard)」(1992)の主題歌「I Will Always Love You(邦題:オールウェイズ・ラヴ・ユー)」で締めくくられた。

■指導者や共演者ら思い出語る

 著名な音楽プロデューサーで、後にヒューストンさんの指導者となったクライヴ・デイヴィス(Clive Davis)氏は、1983年にヒューストンさんと初めて会ったとき、魔法にかけられたようだったと振り返った。

「あのような声は生涯をかけて(出会いを)待ちこがれるものだ。あのような容姿、あのような笑顔、あのような存在感、それは生涯をかけて待ちこがれるものだ。それら全てを1人の人間が備えていたとき、人は驚嘆してしまうものだ」(クライヴ・デイヴィス氏)

 またケビン・コスナー氏も、ヒューストンさんとの思い出を語った。ヒューストンさんが有色人種であることや俳優経験がなかったことから、映画「ボディガード」の役を失いかけたという。

 コスナー氏は、当時映画プロデューサーから受けた提案について振り返り、「別の歌手について検討する提案があった。誰か白人でもよいのではと。誰もはっきりとは言わなかったが、もっともな提案だった」と語った。

「私は、ホイットニーが黒人だということは承知しているとみんなに向けて言った。ただ、唯一の問題は、われわれのやろうとしていることに、彼女が完璧だったことだ」とコスナー氏は述べ、米ワーナー・ブラザーズ(Warner Brothers)が最終的にヒューストンさんの配役に同意したことを評価した。

■前夫は途中退出を求められる

 一方、15年間の波乱の結婚生活を送ったヒューストンさんの前夫、米ソウル歌手ボビー・ブラウン(Bobby Brown)さんは、葬儀で退出を求められた。

 葬儀後、ブラウンさんは声明を発表し、ブラウンさんと子どもたちが「警備員に席まで案内され、それから3度退出を求められた」ことや、ヒューストンさんとの間に生まれた娘への面会を拒否されたことなどを明らかにした。

「状況をふまえて、前妻のひつぎにキスをしてから、騒動を起こさないように立ち去った。私の子どもたちは完全に取り乱していた」とブラウンさんは述べた。

■埋葬は父のとなりに

 米ABCニュース(ABC News)によると、ヒューストンさんは19日、ニュージャージー州ウエストフィールド(Westfield)のフェアビュー墓地(Fairview Cemetery)で、2003年に死去した父親のジョン・ラッセル・ヒューストン(John Russell Houston)さんのとなりに埋葬される。(c)AFP/Brigitte Dusseau

【動画】葬儀の様子(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)