【11月4日 AFP】伝説の武術家ブルース・リー(Bruce Lee)の名前や写真が、中国の企業や個人により遺族の許可なく無断で使用されていることが明らかになった。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が3日、報じた。

 同紙によれば、ブルースの娘シャノン・リー(Shannon Lee)さんを中心としたチームが全国的な調査をしたところ、ブルースの中国名「李小龍(Li Xiaolong)」が麺類や歯ブラシなど複数の製品で商標登録されていたという。

 地方紙、南方日報(Southern Daily)は、シャノンさんがブルースの祖先の故郷である広東(Guangdong)省順徳(Shunde)区の職員と話し合いを行ったと報じている。順徳にはブルースの人生や、武術家・俳優としての業績を称える記念ホール「李小龍パラダイス(Li Xiaolong Paradise)」がある。

 シャノンさんは順徳区に対し、商標を親族とブルース・リー財団(Bruce Lee Foundation)に返還するよう求めたという。これについて順徳区と市場規制当局に3日電話取材を試みたが、応答はなかった。

 チャイナ・デーリーによれば、商標の保護を管轄する国家工商行政管理総局は近頃、ブルース・リーの中国名と英語名は遺産相続人の所有であることを明確にし、現在審査中のブルース・リーの名前を使った商標登録出願を却下する方針を固めたという。

 世界で最も海賊版や偽造品が横行する中国では、知的財産権は無視されることが多い。国務院は前月、「市場の規律を乱し、海外における中国の印象を傷つけている」として、知的財産権の侵害に対する6か月間の取り締まりを行うと発表している。(c)AFP