【10月6日 AFP】映画「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズのマクゴナガル副校長でおなじみの女優マギー・スミス(Maggie Smith)さん(74)が、5日付けの英タイムズ(Times)紙で、2年にわたる乳がんの闘病生活について語った。

 医師から完治したと言われたスミスさんだが、現在は当惑してしまい舞台に戻る自信がないという。

「病気は人を打ちのめしてしまう。映画の方がもっと疲れるけれど、舞台にも戻れるかどうかわからない。舞台に出るのが怖くて不安。しばらくやっていないから」

 スミスさんはさらに、昨年、胸部にしこりを見つけたときのことを語った。

「少し変な感じがしていた。数年前にしこりを見つけたときは良性だったから、大変なものだとは思わなかった。今回も良性だと思った」

「自信を砕かれたような感じ。未来のことはわからない。もう若くないから、この先に多くのことが待っているとは考えられない」

 さらに、今夏公開された『ハリー・ポッターと謎のプリンス(Harry Potter and The Half-Blood Prince)』の撮影についても赤裸々に語った。

「髪の毛が抜けてしまった。かつらを付けることには何の問題もなかった。まるでゆで卵のような頭だった」

 スミスさんは化学療法で非常に気分が悪くなり、手すりにつかまりながら、「もう耐えられない」と思ったという。

 そんなスミスさんだが、シリーズ最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝(Harry Potter and the Deathly Hallows)』の撮影には、たとえ「よろめいて」でも参加する予定だと話した。撮影の間は闘病のことは忘れたいという。

「この数年間は『役立たず』だったが、今は人間らしくなった気がする。エネルギーが戻ってきた。災難は起こるもの。自分を取り戻さなければ」

 スミスさんは英国アカデミー賞で主・助演女優賞を5度受賞、オスカーを2回獲得している。中でも、1969年の『ミス・ブロディの青春(The Prime of Miss Jean Brodie)』でのオスカー獲得が有名。(c)AFP