【10月4日 AFP】米ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙は3日、約30年前の少女淫行事件に絡みスイスで身柄を拘束されたロマン・ポランスキー(Roman Polanski)監督が、被害女性に50万ドル(約4500万円)を支払うことに同意していたが、その通りに支払いを行っていなかったと報じた。事件をめぐる民事訴訟関連の文書から明らかになったという。

 ポランスキー監督は1977年、当時13歳だったサマンサ・ゲイマー(Samantha Geimer)さんにみだらな行為を働いたとして性的暴行などの罪に問われた。同監督は判決前に欧州に渡り、その後米国に足を踏み入れていない。この文書は、同監督が前週、渡航先のスイスで身柄を拘束されたことを受けて複数の報道機関が開示を求めていたもので、2日に報道機関に提供された。

 文書によると、事件から約15年後の93年に監督とゲイマーさんとの間で和解が成立した。和解に達したことはゲイマーさんもすでに認めている。その内容の全容は明らかにされていないが、この和解で監督は95年10月11日までに50万ドルを支払うこととされた。しかし、期日を過ぎても監督から小切手は送られてこなかったという。96年8月に作成された文書によれば、利子を含めて60万4416ドル(約5400万円)の支払い義務があるとされている。

 監督が最終的に支払いを行ったかどうかはこれらの文書では明らかになっていないが、同紙はゲイマーさん側が態度を変化させたことと何らかの関係があるのではないかとしている。ゲイマーさん側は1996年までは監督と関係があった映画会社などに支払いを求めていたが、1997年になって監督に支払いを促すよう裁判所に求めるのを止めたほか、監督が米国に再入国することへの支持と、その場合でも刑期が延期されることがないよう求める書簡を判事に送っている。(c)AFP