【6月28日 AFP】25日に急逝した歌手マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの3人の子どもたちの元ベビーシッターが、マイケルさんが日常的に複数の鎮痛剤を組み合わて飲みすぎ、自分が胃洗浄しなければならなかった、と発言した。28日の英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が伝えた。

ジャクソンさんの急死後、 12月に突然ジャクソンさんによって解雇されるまでベビーシッターとして子どもたちの面倒を見ていたグレース・ルワランバ(Grace Rwaramba)さん(42)は心配し、欧州からジャクソン家のある米ロサンゼルス(Los Angeles)へ急遽駆けつけた。

 ジャクソンさんの死の直前数時間の状況は明らかになっていないため、遺族は怒っている。ジャクソンさんが急死する直前に、主治医のコンラッド・マーレー(Conrad Murray)氏が、鎮痛剤「デメロール(Demerol)」を投与したとの報道もある。

 サンデー・タイムズ紙によると、ルワランバさんは、ジャクソンさんは麻薬性鎮痛薬に依存状態で「いつも多くの薬を混ぜすぎ、わたしが胃洗浄をしなければならないことが何度もあった。ひどすぎて、わたしが子どもたちに彼を会わせなかった一時期もあった。(ジャクソンさんは)いつも食事はほんの少しなのに、混ぜ合わせた薬は大量に飲んでいた」と語った。

 ジャクソンさんの母キャサリン(Katherine Jackson)さんや妹のジャネット(Janet Jackson)さんに、鎮痛剤の服用を止めて依存症の治療をするようジャクソンさんを説得してほしいと、ルワランバさんから頼んだこともあるという。しかし、それがわかるとマイケルさんは不機嫌になり、ルワランバさんを裏切り者呼ばわりしたり、「話を聞きたくないと言って、わたしを追い出したり」した。

 アフリカのルワンダ出身のルワランバさんは、ジャクソン家で最初は事務所のアシスタントとして、後にジャクソンさんの子どもたちのベビーシッターとして計10年以上働いたが、12月に突然解雇された。しかし、その後もルワランバさんは子どもたちに会いにジャクソン家に出入りし、最近は4月に訪れたところだった。

 ジャクソンさんは1999年10月に離婚した看護師のデビー・ロー(Debbie Rowe)さんとの間にプリンス・マイケル(Prince Michael、12)ちゃんとパリス・キャサリン(Paris Katherine、11)ちゃんの2人の子どもをもうけた。2002年には代理母出産で3人目の子ども、プリンス・マイケル2世(Prince Michael II、7)ちゃんが生まれた。

■微妙だった子どもたちとの関係

 同紙系列のテレビインタビューでルワランバさんは、ジャクソンさんの悲報が舞い込んだとき、何よりも先に子どものことが頭に浮かんだと述べた。「子どもたちのことを思うと気がおかしくなりそうだった。マイケルはずっと食事をしていなくて、子どもたちはびくびくしていた。一番下の子はいつも『どうしてお父さんなんだろう?神さまはお父さんじゃなくて、ぼくを連れて行くべきだよ』とまで言っていた」

 また子どもたちへの思い入れについては「どの子も人生最初の日に、この腕に抱いた。あの子たちは自分の子ども同然よ」と述べた。

 ルワランバさんはまた、子どもたちとジャクソンさんの関係は不安を抱えていたと明かした。最近も、一番年下のプリンス・マイケル2世ちゃんが、ジャクソンさんの曲を歌って家の中でコンサートごっこをしていたときに小さな事件があったという。「わたしは大笑いしていて、ほかの2人の子どもたちもまわりで遊んでいて、とても幸せなひとときだった。そこに突然マイケルが入ってきたら、子どもたちはおびえた様子になった。マイケルはひどく怒っていた」

 報道によると、上の2人の子どもたちの実母であるデビー・ローさんが親権を求めて訴えを起こす可能性もあり、ジャクソン家の子どもたちの将来の行方は定かでない。(c)AFP