【6月27日 AFP】25日に急死した伝説的な人気歌手、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さん(50)の財政状況は、今もなお、謎の部分が多い。

 ジャクソンさんは、死去した際に億万長者だった可能性もある。しかし、ジャクソンさんの財政状況は、2005年の児童への性的虐待疑惑に対する無罪判決後、借金に苦しむ状況で急激に悪化していた。

 ジャクソンさんは、音楽活動でばく大な富を築いた。また、ビートルズ(The Beatles)の楽曲の著作権を所有する音楽出版社ATVを4750万ドル(約45億円)で購入するという、実業家としての手腕も発揮した。

 ジャクソンさんの財政状況にとって非常に重要だったATVは、その10年後にはソニーとの合弁会社「Sony/ATV」となり、ボブ・ディラン(Bob Dylan)やジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)、レディー・ガガ(Lady GaGa)、ジョナス・ブラザーズ(Jonas Brothers)らの楽曲の著作権も管理している。

「Sony/ATV」の財務状況は非公開のままだが、同社に詳しい情報筋によると、資産価値は20億ドル(約1900億円)ほどで、その半分ほどが、ジャクソンさんの設立した信託が保有しているという。

■情報源によって異なる資産の推計

 米経済誌「フォーブス(Forbes)」は、2003年のジャクソンさんの純資産を3億5000万ドルと推計したが、支出はわかっていない。ジャクソンさんの資産はさらに高い額を推計されることもあったが、結局、一度も同誌の長者番付には掲載されなかった。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は26日、死の直前にはジャクソンさんが年間1900万ドル(約18億円)の収入を得ていたと伝えた。そのうち700万ドル(約7億円)はSony/ATVからの収入だった。

 ジャクソンさんは、カネを湯水のごとく使うことで知られていた。2008年には、2450万ドルのローンの債務不履行で、カリフォルニア(California)州の「ネバーランド(Neverland)」を手放す危機に直面した。

 裁判で明らかになった証拠によると、ジャクソンさんは1年あたり2000万ドルから3000万ドルを使い、約2億7000万ドルの債務を抱えていたとみられる。(c)AFP/Charlotte Raab