【5月30日 AFP】中国の四川大地震は、同国がチベットに対して行ったことに対する「カルマ(報い)」だと発言し、中国人から厳しい非難を浴びている米女優シャロン・ストーン(Sharon Stone)さん(50)が29日、謝罪の声明を発表した。

「私の誤った言葉で、中国の人々が怒りや悲しみを感じたことに、深く謝罪します」と、ストーンさんは自分が広告モデルを務める仏高級ブランド「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」を通して、謝罪を述べた。今後は、地震に関する救済活動に積極的に参加し、地震で傷ついた中国の人々を支援するため最大限の努力をすると言う。

■ディオール社、ストーンを起用した中国向け広告中止を決定

 さらにクリスチャン・ディオールは、「シャロン・ストーンの不適切な言動が非難を招いたことを受けて、わが社は彼女が関わるいかなる広告、販売運動、宣伝活動も即時中止することに決定した」として、中国国内での広告には今後ストーンさんを使用しないと決定したとする声明を発表した。

 ディオールの中国本部はストーンさんを使用した広告を撤去する以前に、次のような釈明のコメントを発表している。「わが社の意見は、彼女の軽率で分別のない言動と同じものではない。とても残念に思っている。ディオールは中国に早くから参入したブランドのひとつであり、国民に愛されている。中国の人々の感情を傷つけるようないかなる言動もわが社は支持しない。四川(Sichuan)省の地震で亡くなった人々に対して、心からお悔やみを申し上げたい」

■謝罪後も中国側の非難の声高まる

 ところが、ストーンさんが謝罪したにもかかわらず、激怒した中国人の怒りの声が収まる気配はない。

 中国のポータルサイト「qq.com」は、ストーンさんの謝罪について調査を実施した結果、30万人以上の回答者うち、70.3%がストーンさんを「決して許さない」、20.5%が「心からの言葉ではない」ので謝罪を受けられないと回答。「謝罪は意味が無く、今後のストーンさんの態度を見て判断すべき」と答えた人は8.7%、謝罪に満足したと回答した人は0.6%のみだった。(c)AFP