【10月31日 AFP】女優ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)が、夫で脚本家のアンドリュー・アプトン(Andrew Upton)とともに、オーストラリアで最も権威ある劇団シドニー・シアター・カンパニー(Sydney Theatre CompanySTC)の監督に就任することに対し、劇団内で反対の意見が出ているという。

 2人は2008年1月に就任することが決定している。だが、匿名の関係者の話によると、ブランシェットとアプトンのどちらもプロの劇団を経営したことがないことから今回の就任が物議をかもし、「適切な選出方法をとらなかったのではないか」、「2人がこの分野に関して経験が少なすぎるのではないか」などと疑問視する声が上がっている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)紙によれば、同劇団の俳優コリン・ムーディー(Colin Moody)が今回の決定を「政治的」で「裏切り行為」だとして、退団したという。同紙は、「演技でオスカーを獲得しても、オーストラリア最大の劇団の運営に適しているとは限らない」と語ったムーディーの言葉を報じた。

 ムーディーはさらに、現在の監督であるロビン・ネヴィン(Robyn Nevin)も批判し、「彼女の判断で、同劇団はまったくのペテン師たちを入団させた。おかげで何も分かっていない連中に演技をさせるはめになった」と述べている。

 同劇団は、この報道に対するコメントは控えているが、ムーディーが退団したことは認めた。さらに「アカデミー最優秀主演女優賞を獲得したブランシェットには全信頼を寄せている」という、ロブ・ブルックマン(Rob Brookman)団長の言葉を支持すると伝えている。

 一方、ブランシェットは、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Georgio Armani)に同劇団の支援を依頼するなど、すでにハリウッドの力を見せつけている。(c)AFP