【6月1日 AFP】英国の子ども向け人気番組「テレタビーズ(The Teletubbies)」が同性愛を助長している可能性があると指摘していた、ポーランドの子供の権利オンブズマンのエワ・ソウィンスカ(Ewa Sowinska)氏は30日、「疑いは晴れた」との声明を発表した。

■「一流の性科学者」がゲイ疑惑を否定

 ソウィンスカ氏は声明で、「心理学的観点から番組が子どもに悪影響を及ぼす懸念はないとの信頼に足る見解を、一流の性科学者から得た」として、「ほかの心理学者の意見を聞く必要はないと判断した」と述べた。

 同氏が問題視していたのは、ぽっちゃりした体形の紫色の番組キャラクター、「ティンキーウィンキー(Tinky Winky)」。ほかのキャラクターに比べて背が高いことから男性として考えられているが、ハンドバッグを手に持っている。

 同氏は28日、ポーランド誌『Wprost』のインタビューで、ティンキーウィンキーが「ゲイを暗示していると聞いたことがある」と語り、心理学者による検証チームを立ち上げる計画を表明していた。

■政治家からも「ゲイ発言」に非難が集中

 ところがその後、この発言に批判が集中。所属する極右政党「ポーランド家族連盟」(League of Polish FamiliesLPR)の中からも、非難の声が上がった。

 LPR党首で、反同性愛の立場を表明しているロマン・ギエルティフ(Roman Giertych)副首相兼教育相ですら、記者会見中に自身の娘のテレタビーズ・グッズを、記者の1人のハンドバッグと交換するパフォーマンスを見せた。

 ルドウィク・ドルン(Ludwik Dorn)下院議長も、オンブズマン局が「ばかばかしく」と思われるような発言は控えるよう忠告している。

 頭にアンテナ、お腹にテレビ画面を持つぽっちゃりしたカラフルな「テレタビーズ」のキャラクター、ティンキーウィンキー、ディプシー(Dipsy)、ラーラ(Laa-Laa)、ポー(Poo)の4人は、1997年に初めて英BBCテレビに登場した。これまで45言語120の国々で放映されている。

 ティンキーウィンキーのキャラクターについては、米キリスト教活動家のジェリー・ファルウェル(Jerry Falwell)氏も、米国で同番組が初めて放映された際、「ゲイのライフスタイルの模範」と非難し、問題があると指摘した。しかし、かえって米国に住むゲイの人々の注目を集めてしまい、ティンキーウィンキー・グッズの売上げが伸びる結果になった。(c)AFP