インドネシア版『セサミストリート』がスタート
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【5月23日 AFP】読書をするオランウータンやモヒカン刈りのサイの人形が登場するインドネシア版『セサミストリート(Sesame Street)』が今年後半から放送開始されると、同番組プロデューサーらが22日発表した。
『Jalan Sesama』と名付けられた番組では、公用語であるバハサ語が音楽や物語で使われ、舞台もニューヨークの街角ではなく、インドネシアの村が登場する。
「私たちは、“ゴトロヨン(gotong royong)”のような都市部では失われつつある伝統的な価値観を呼び起こしたいのです」と番組共同プロデューサーでインドネシアPSI Studio Centerのresearch directorであるMohammad Zuhdi氏は述べた。
“ゴトロヨン”は、危機や問題に直面したときは互いに助け合うインドネシアの伝統的価値観で、現在でも農村部に根強く残っている。 インドネシア版では4体の主要キャラクターが登場する。
読み書きが好きな「Momon」という名の少年、冒険と歌うことが好きな「Putri」という名の少女、バナナをむしゃむしゃ食べるオランウータン「Tantan」、そして赤ちゃんサイの「Jabrik」。セットの背景には街灯柱の代わりに垂れ下がったケーブル、掲示板には架空の入れ歯職人の広告が出されている。
米国際開発局(USAID)は同番組に対し850万ドル(約10億3400万円)の財政支援を行った。
「『セサミストリート』は初等教育のための一つの指標となっている」とJohn Heffern米代理公使は述べた。「忍耐力、理解力、健康と清潔さといったメッセージを伝えている」
番組プロデューサーらは156話を制作する予定だという。『セサミストリート』は120の国で放送されているが、エジプト、日本、南アフリカのように共同で制作している国もある。
『セサミストリート』は米国で1969年から放送が始まり、テレビ史上最も成功した番組の一つとなった。これまで同番組を視聴した子供は、数千万人に及ぶとみられている。(c)AFP