【北京/中国 30日 AFP】中国のトップ女優コン・リー(Gong Li)の政治活動家としての役割に疑問の声が上がっている。環境保護を訴える傍ら、毛皮を身につけるリーを批判する動きが出ているのだ。

 今月開催された、中国の国会に相当する全国人民代表大会(National People’s Congress)でリーは、全国政治協商会議(政協、Chinese People’s Political Consultative Conference)の代表として、環境保護を訴えた。

 しかし、毛皮を身につけたリーの写真が2週間の会期中、国営メディアにより派手に取り上げられ、リーを政治の世界から排除すべきだという怒りの声が上がるようになった。

 四川省では、映画「SAYURI(Memoirs of a Geisha)」にも出演したリーの解任を求めて訴えを起こす人も現れた。29日の地元紙には原告となったZhou Xinさんの言葉が引用された。「ある目的のためにスポークスパーソンという立場を取るのであれば、社会的責任を負わなければならないのだと警告したいのです」

 北京青年報(Beijing Youth Daily)のウェブサイト上で行なわれた調査では、1万2千人の回答者のうち、52パーセントがリーに政協で活動する権利はないと答え、26パーセントの人が非常に不適格だと回答している。約15パーセントの人は環境問題を叫びながら毛皮を着るなんて恥ずかしいと答え、6パーセントはリーは「罰されるべき」と回答した。

 しかし、中国の調査システムではしばしば見られることだが、同ウェブサイトにリーへの支持を表せるような回答の選択肢はなかった。

 本問題についてのコメントを求められたリーのマネージャーは、リーの成功をうらやむ人々に不当に批判されていると語った。

 「こんなことが起こるので、人々は有名になりたくないと思うのです」とZeng Jingchao氏のコメントが紙面に掲載された。

 写真は、「ハンニバル・ライジング(Hannibal Rising)」プレミア上映会のアフターパーティーに登場した際のリー(2007年1月31日撮影)。(c)AFP/Getty Images Rob Loud