【4月8日 AFP】米国により経済制裁が科されているキューバを旅行中の歌手ビヨンセ(Beyonce)さんとラッパーのジェイ・Z(Jay-Z)さん夫妻について、米共和党のキューバ系議員2人が5日、渡航許可が下りているのかを尋ねる質問状を送った。

 米財務省の外国資産管理局(Office of Foreign Assets ControlOFAC)に書簡を送ったのは、フロリダ州選出のイレアナ・ロスレティネン(Ileana Ros-Lehtinen)、マリオ・ディアスバラート(Mario Diaz-Balart)両下院議員で2人ともキューバ系米国人だ。

 国民に対する人権侵害があるとして、米国務省に「テロ支援国家」の4か国の一つに指定されているキューバ。2議員は、「米国の法律では『観光』によるキューバでの金融取引を許可することを禁じている」と指摘し、夫妻がキューバ渡航のために付与された許可証について尋ねた。

 結婚5周年を祝いキューバを旅行中のビヨンセさんとジェイ・Zさんは4日、ユネスコ(UNESCO)の世界遺産に登録されている首都ハバナ(Havana)を観光した。米ポップス界のビッグカップルを一目見ようと大勢の人々が集まり、周辺は一時大騒ぎとなった。

 米国民は政府の特別な許可を受けた場合以外、キューバを訪問したり、キューバで金銭を使うことは認められていない。法律違反を犯した場合には、最高で禁錮10年または25万ドルの罰金が科される。しかし実際には年間数千人の米国民が第3国経由でキューバを無許可で訪れており、米国に帰国した後も自分の違反行為を吹聴しない限り、問題視されることはほぼ皆無だ。(c)AFP